大和レジデンスオーナーの独り言(8) 二人の人生

京都府在住の木村次郎右衛門さんが男女を含め115歳で長寿世界一となった。
ギネス認定の世界最高齢者として世界中の人々が知る存在となった

65歳まで郵便局に勤め、その後も市井の人として静かな余生を送っていた
ことだろうが、今からは一日、一月、一年と長生きされることが世界中から
注目されることになる

ちなみに、現在では自治体が長寿番付を発表してないが香川では2004年の資料
によると110歳が二人いた(これも凄い事だ)

今年1月10日に技巧派ボクサーとして知られ東京オリンピックの金メダリスト。
後にプロとして世界タイトル戦も経験した桜井孝雄が他界した。

1970年半ば頃。東京は山の手線高田馬場の栄通りという狭く混みいった繁華街
にある「メダリスト」というスナックを友人と訪れた。

そう桜井の経営する店だ。有名人の店という事でに一度入ってみたかった。
客はまばらだった。カウンターの中にはテレビで見た顔が常連客らしい男と話を
している。勿論話はボクシングについてだ。当時の有名野球選手を話題にあげ彼ら
は3,4回の打席で結果を出せばいいが、ボクサーは一度の勝負で結果をださなけれ
ならないと。ボクシングの非情さと厳しさを静かな口調でたんたんと語ってた。
我々も一言二言口を挟んだが、後はずっと押し黙ってただ話を聞いていた。

場違いな場所で場違いな話を聞いてるようで。どういう経路でスナックを始めたの
か知らないが、かっての栄光のゴールドメダリストが酔い客相手にボクシングについ
て語る姿を見るのはなんとなく忍びなかった。
そそくさと店を後にして駅へ向かって歩く間二人は無言だった。

それから何ヶ月後に店の前を通った時には「メダリスト」の看板はなくなってた。

それ以後「桜井孝雄」という名前は記憶から消え去っていた。
そして今年一月に何十年ぶりにその名を記憶の底に思い起こした。

ずつとずつと平凡に暮らしていたのに世界中に有名になってしまう。
栄光と名誉に包まれた暮らしをしてたのに死亡記事がでるまで人々の話題に登る事は
なかった。

まったく人生ってやつはー

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