カラオケ喫茶アンソロジーノート (16) 6月の唄
あめふり ( 作詞 北原白秋 作曲 中山晋平 )
雨 雨 ふれ ふれ かあさんが
じゃの目で おむかえ うれしいな
[ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン]
かけましょ かばんを かあさんの
あとから 行こ行こ 鐘がなる
[ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン]
あら あら あの子は ずぶぬれだ
柳の 根かたで 泣いている
[ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン ]
かあさん ぼくのを かしましょか
きみ きみ このかさ さしたまえ
[ くりかえし ]
ぼくなら いいんだ かあさんの
大きな じゃの目に はいってく
[くりかえし ]
大正時代に作られた唄だからかあさんはじゃの目傘でお迎えです。じゃの目というのが
味噌です。
竹と油を塗った和紙で作った傘で安いのが番傘。じゃの目傘は開いた時の模様が大蛇の
目に似ているため名付けられました。少し細身でカラフルで上品です。(今ではじゃの目
は勿論番傘も非常にお高いです。)
お迎えのかあさんは優しくて綺麗だと想像させます。落語に出てくるオカミさんにはじゃ
の目は似合いません。
一番の歌詞は雨が降りだし心細くなったとき優しいかあさんのお迎えで雨ふりも楽しくな
って喜喜とした様子が目に浮かびます。
男の子は昔の道徳の教科書に出てきそうな優しくてとってもいい子です。でも今風な解釈
なら柳の根っ子で泣いてるあの子はカサを借りて本当に喜ぶのでしょうか?
じゃの目で仲良く帰る親子の姿をを見て…あの子のかあさんは?…
今ならかあさんは車でお迎えでしょうか?とうさんがお迎えかもしれません。
共働き世帯が増えたから子供は置き傘だったり、友達のをカサにいれてもらったり、逞し
くずぶぬれで走って帰るか?
でも本当に一番嬉しいのはかあさんと歩いて帰る帰り道
私も子供の頃雨降りの時の母のお迎えの思い出があります。(じゃの目ではなくこうもり傘
と言った時代ですが)
昭和の30年代の頃マイカーもなく交通手段も今とは比べようのない時代だったけど母と小
旅行や母の里帰りで旅した思い出は結構ありました。どれも楽しく嬉しかったけど、ほんの
小さな出来事であるの雨の日の母の笑顔はそれらに負けないくらい心に殘ってます。